「公定歩合と金利」どういう関係?

公定歩合

 

かつて、日本銀行の主な金融調節手段は、オペレーションではなく、「公定歩合」により金融機関に貸出を行うことでした。また、規制金利時代には、預金金利等の各種の金利が「公定歩合」に連動していたため、「公定歩合」が変更されると、こうした金利も一斉に変更される仕組みになっていました。このため、「公定歩合」は金融政策の基本的なスタンスを示す代表的な政策金利でした。

しかし、1994年(平成6年)に金利自由化が完了し、「公定歩合」と預金金利との直接的な連動性はなくなりました。この連動関係に代わって、現在、各種の金利は金融市場における裁定行動によって決まっています。こうした状況のもと、かつての「公定歩合」は、現在、「基準貸付利率」と呼ばれ、「補完貸付制度」の適用金利として、無担保コールレート(オーバーナイト物)の上限を画する役割を担うようになりました。

 

【補完貸付制度】

 

補完貸付制度は、日本銀行が予め定めた条件(貸付期間を1営業日とする等)に基づき、貸付先からの利用申込みを受けて、担保の範囲内で受動的に実行する貸付制度であり、2001年(平成13年)2月に導入されました。本制度の対象先は、銀行、証券会社といった金融機関のうち、貸付先となることを希望する先で、信用力が十分であると日本銀行が認めた先です。

 

本制度については、何らかの理由により、短期市場金利が本制度の適用金利(基準貸付利率)を超えて上昇した場合、対象先は、いつでもこれを利用できることが予め明確になっています。このため、結果的に、基準貸付利率が短期市場金利の上限を画するものと期待されます。

金利

 

金利とは、借入金額に対してどれくらいの割合で利息(利子)が発生するのかを表した言葉です。

 

たとえば、10万円を借りて金利が10%の場合、返済するときは元金の10万円に加えて10%にあたる1万円を利子として支払うことになります。

 

たとえば、定期預金の場合、100万円を金利0.2%で預け入れると、2,000円の利息がつきます。(※税金は考慮しないものとします。以降の計算においても同様です。)

 

「お金を預けるなら金利が高いところ」「お金を借りるなら金利が低いところ」といった判断がしやすくなり、預金先や借入先を選ぶ基準のひとつとして役立つでしょう。