【証券とは何か?】
証券とは財産の権利を持っていることを証明する文書を指します。
財産上の権利を表す証券には、法的な効力の異なる『証拠証券』と『有価証券』の2種類があります。
《証拠証券》
証拠証券は権利があることを証明しますが、売買の対象にはなりません。買い物をしたときに受け取る『レシート』も証拠証券の一種で、買い物の事実を証明しますが、レシート自体が売買の対象となることはありません。
ほかにクリーニング店で預かる『預り証』や、保険を契約したときに受け取る『保険証券』、金融機関の『預金通帳』なども証拠証券です。
《有価証券》
一方、証券そのものに財産的な価値があるものを『有価証券』といいます。財産的権利があることを証明する役割と同時に、譲渡することによって財産的権利を他者に移転できるのが特徴です。
『株式』や『債券』『手形』『小切手』などが代表的で、保有している有価証券はそのまま譲渡できます。
《有価証券の種類》
〔資本証券〕
『株式』や『債券』、『投資信託受益証券』など資本の提供とそれに基づく権利を証明するのが資本証券です。株式を権利確定日に保有していれば配当支払いの対象となり、債券を利払日まで保有していれば利金を受け取れます。
また『資本性証券(ハイブリッド証券)』と呼ばれる、債券と株式の性質を持った証券も発行されています。例えば『劣後債』『優先株式』『優先出資証券』などが資本性証券に該当し、株式の発行数が増え過ぎて1株の価値が下がる希薄化を避けつつ、資金調達ができる方法として注目されています。投資家にとっては高いリターンを期待できるメリットがある証券です。
〔貨幣証券〕
お金と同じように扱われる『小切手』や『約束手形』『為替手形』などを貨幣証券とよびます。これらの証券を保有していると、同額のお金を請求できる権利がある状態です。
〔物財(商品)証券〕
物財(商品)証券は物と交換できる権利のある証券です。例えば買い物に使える『商品券』は、お店へ渡すと商品と交換できます。そのため物財証券の一種です。
ほかにも『貨物引換証』『倉庫証券』『船荷証券』など、荷物を受け取るときに必要な書類も、物と交換しているという点で物財証券に分類されます。